無量寺

無量寺
むりょうじ
寺伝によれば大阪城落城の折、東国に下向した武士の一党が当村落に入植し、先住者と共に村おこしを始めた元和元年(1615年8月)現在地(旧北原村大字本村)に源慶法師によって村の要として開山されたという。旧北原村は往古日光御成道第3番目の宿場町として賑わった大門宿の南西に位置す。旧中山道と日光御成道を大門宿で結ぶ主要地方道浦和越谷線が当村の南側を貫通し、西の端には見沼代用水(東縁)の見沼通船荷揚場を有する好位置のもと、自助努力により顕著な発展を遂げ、周辺地に当村の領域を盛んに拡張す。寛永10年(1633年)には旧行衛(現北原台)を合併し、延政7年(1793年)には当村の南方の見沼新田内に行衛北原村新田(現川口市行衛)を飛び地として保有、また、差間、間宮の二村、下山口新田の見沼新田、大門宿、下野田村及び北高畑村内にも飛び地を有した。当寺は江戸期幕府領内にあって、密蔵院(川口市安行原)、長福寺(浦和市間宮・・現在廃寺)につらなり、見沼田圃を見下ろし冨士の霊峰を遠望しつつ、隆盛と安寧を念じた当村落の信仰の中心地位を担った幕府縁の古刹である。当山御本尊として、如意輪観音像を奉安す。また境内に連立安置せし六阿弥陀像、並びに表面に「六阿弥陀三番」裏面に「寛政十戌午八月五日敬白」刻銘のある石塔婆は、現在類例が稀で、往時の阿弥陀信仰の貴重な証左である。
山号
: 福聚院
本尊
: 聖観世音菩薩
住所
: さいたま市緑区北原1603