去る令和七年九月四日(木)総本山智積院宗務庁二階第二教場において、「埼玉第一教区教化研究会」が開催された。今回は埼玉第一教区から教化部長として奉職されている正源寺ご住職荒井真道僧正を講師として、「教化目標と団参について」と題し、ご講義を賜った。

まず、第一部では「教化目標と団参について」をテーマに、宗派が推奨する教化目標(生きる力~仏さまに祈り 仏さまと出会う)について解説がなされた。「生きる力」とは、昭和四十四年頃のつくし合い運動から始まったもので、教化目標を定めた理由としては、
①檀信徒の信心の高揚、安心の獲得。
②寺院活動の活性化による、寺檀関係の強化のため。
そのための具体的な教化活動は三密行の実践である。四年に一度の改正で三密行の基本軸はそのままに、
①手を合わせましょう。
②お唱えしましょう。
③仏さまを想いましょう。
と、より檀信徒にわかりやすく、よりシンプルなものに改正された。三密行の実践となる教化資料の紹介では、「お授けの文」や「生きる力のリーフレット」、「智山派寺院専用ページ」からのダウンロードの活用などの紹介がなされた。その後の質疑応答では、具体的な教化の方法論やより実践的な教化資料作成の要望など、これからの教化活動のためになる活発な意見交換がなされた。
休憩をはさんだ第二部では、フィールドワーク「本山団参の流れを実際に経験する」と題し、実際に総本山の団参と同じような形で拝観案内をしていただいた。通常非公開の場所も特別に案内してくださり、改めて総本山の魅力を肌で感じることができた。拝観案内を通じ、総本山の歴史や素晴らしさと団参から学ぶ教化活動の大切さを強く感じたフィールドワークであった。
閉会後、荒井教化部長を囲み懇親会を開催、和やかな雰囲気のなか、無事に本会を終了することができた。
そして、翌朝五時より金堂において、真言宗智山派密厳流詠監直林一敏僧正並びに密厳流遍照講全国連合会会長元山宥壽僧正のそれぞれの詠題詠頭のもと、参加者一同とともに、有り難い奉詠の機会をいただけた。引き続き朝勤行では多くの皆さまとともに、一心に読経するご本尊さまへの祈りは、まさに“仏さまに祈り、仏さまと出会う”瞬間であった。
今回の研究会においては、宗派で掲げる教化目標を深く理解すると共に、その三密行の実践の場として多くを学べる本山開催は、大変有意義な実りある研究会となった。
今回の開催に当たり、ご尽力を賜った全ての方々に心からの感謝を申し上げ報告といたします。
合 掌
【参加者】(敬称略)
山口正純・江連俊裕・清水秀隆・山口正隆・直林 一敏・渡邊道夫・元山宥壽・
片野真省・大庭隆信・安田明城・高橋 一晃・上村正健・荒井正道・山口純雄・
奧野真明・小宮山学道・横溝照浩・藤原雅弘・大津隆裕・小泉暁輝・江連俊隆・
榊原正蔵・山口弘隆・元山憲寿

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