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真言宗智山派 令和五年度 埼玉第一教区・埼玉第二教区・埼玉第三教区 合同講習会 報告

去る令和六年二月五日(月)川口駅前市民ホール“フレンディア”に於いて、大正大学 第三十六代学長 髙橋秀裕 先生を講師にお招きし、「真言宗智山派 令和五年度 埼玉第一教区・埼玉第二教区・埼玉第三教区 合同講習会」が開催されました。本講習会は三つの教区が毎年持ち回りで開催しており、今回は埼玉第一教区が担当し開催いたしました。

 当日はお昼過ぎ頃から雪予報となっていた為、無事に開催出来るか心配しておりましたが、第一教区二十名、第二教区二十三名、第三教区十七名、計六十名の方々にご出席いただき、開催する事が出来ました。

 本講習会は『仏教文化と曼荼羅の心』をテーマに話が進められ、前半では“日本の数字”と“算用数字”で「位」の取り方の違いや、“ゼロ”の発明(発見)が記数法を大きく進化させ、“ゼロ”はインドにおいて筆算を遂行するために生み出され、それが画期的なものとして全世界に知れ渡り、用いられるようになった。そして、その筆算を「インド式計算法」として受け入れ、大々的に展開させたのが、アラビア世界であり、アラビア世界では星の動きを求め、国家の行く末を占うために“占星術”を用いていたが、星の動きを決定するため、膨大な計算が必要となって、インドの筆算に注目し、その過程で生み出されたインド式計算法のマニュアルが、さらにラテン語へと翻訳されることで、ヨーロッパにもインド式計算法とインド・アラビア数字がもたらされた事などについて資料をもとに詳しくお話し頂きました。

 休憩後の後半では、テーマを掘り下げるかたちで講義が進められ、『阿弥陀経』の「十万億仏土」とはどれくらいの大きさか?さらには、“四天王”“九品仏”“十六羅漢”といった二乗の数と「仏教」の繋がり、曼荼羅や東大寺大仏殿に用いられている「黄金比」や法隆寺五重塔に用いられてる「白銀比」等についてもお話しいただき、非常に興味深く感じました。

七十分×二コマの限られた時間でしたが、気づくとあっという間に時間が経っていたと感じるくらい髙橋先生の話に引き込まれました。

 本講習会開催にあたり、お忙しい所、講師をお引き受け頂きました髙橋先生をはじめ、ご協力賜りました関係各位に感謝を申し上げ、ご報告とさせて頂きます。

(埼玉第一教区 小泉暁輝)