早咲きの安行桜が咲き誇る晴天三月十一日(土)午後三時から、川口市安行原 密蔵院において埼玉第一教区主催、密蔵院(山口正純住職)・密蔵院弘道会(密蔵院法類会二十二カ寺)後援の「東日本大震災十三回忌・関東大震災百年及び災害物故者慰霊法要」が埼玉第一教区長荒井真道僧正を導師に、埼玉第一教区管内住職教師、密蔵院弘道会諸大徳を職衆に「密蔵院平成の大曼荼羅」の御宝前にて謹んで厳修致しました。
「密蔵院平成の大曼荼羅」(幅 百九十センチ 長さ二百十センチ)は密蔵院山口正純住職が東日本大震災で亡くなられた御魂を供養する為に四年がかりで制作された両界曼荼羅で、毎年三月十一日にお祀りされ慰霊法要を営なまれております。今年は十三回忌と共に大正十二年に約十万五千人が犠牲になった関東大震災百年、トルコ・シリア地震のような災害で多くの方々が犠牲になられた諸霊を弔うために弘法大師が伝法された真言密教み教えの根本である大曼荼羅の御宝前で法要を厳修出来たことは、お大師様のお導きであると感じました。
先ず、埼玉第一教区布教師会長直林一敏僧正によるご法話があり、内容は震災でご両親を失った方との交流と供養によって生きる力を得たお話で聴衆一同聞き入っておりました。同時に集会の間では渡邊道夫僧正会奉行による法要説明後、多くの参拝者が手を合わせる境内を列進し、寺庭婦人会、ご詠歌講員が奉詠する同行和讃の中を上堂。堂内には教区顧問、ご随喜の諸大徳、埼玉第一教区寺庭婦人会、密蔵院総代、檀信徒、御詠歌講員ら多くの方々に御参集頂き理趣三昧法要(御詠歌付き)が厳粛に厳修されました。
法要内容は会奉行の法要宣旨の後に奠供、導師による回向文、理趣経と進み、元山宥寿連合会長の詠頭による東日本大震災物故者追悼詠歌・東日本大震災復興和讃を参列者一同でお唱えされ堂内にご詠歌和讃が響き渡り供養の世界が展開されました。法要終了後には主催者の挨拶をもって震災物故者・災害物故者の慰霊法要が終了し、密厳国土和讃の奉詠の中、退堂となりました。境内の参列者にはご焼香を頂き、一時間以上の法要後もお待ちいただいた方もいて、僧侶に合掌されている姿を拝見した時、共に祈ってくださった真心に、感謝の気持ちで一杯でした。
コロナ禍で大勢が集まる事のできない日常が当たり前になった昨今、埼玉第一教区管内住職・布教師会・遍照講埼玉第一連合会・寺庭婦人会・青年会、御詠歌講員、又密蔵院総代檀信徒と多くの僧俗一同が集い震災物故者、災害物故者の供養ができたことは大変意味のある法要であったと思います。
又、七回忌法要同様に気仙沼でとれたお米の「復興支援米」を遍照講埼玉第一教区連合会で購入し参加者すべてに配ることができ微力ながら被災地復興のために心を寄せることができました。 今回、新型コロナウィルス感染拡大防止にご配慮を頂きながら道場をご提供くださいました密蔵院山口正純住職をはじめ、山内職員の皆様方、又、ご後援いただきました密蔵院弘道会諸大徳各位に心より御礼申し上げ報告と致します。
配役
導 師 正源寺 荒井 真道 僧正
一 臈 福寿院 関口 朋俊 僧正(回向)
二 臈 寶厳院 元山 宥寿 僧正(詠歌詠題・詠頭)
三 臈 光明院 荒井 正道 僧正(経頭)
四 臈 圓光寺 岡安 正全 僧正
五 臈 豊榮寺 荒井 悟道 僧正
六 臈 正源寺中 小宮山学道 僧正
七 臈 寶積寺 奥野 真明 僧正
八 臈 明真教会 横溝 照浩 僧正
九 臈 法福寺 大津 隆裕 僧正
十 臈 明王院 山口 純雄 僧正
十一臈 普門寺 小泉 暁輝 僧正
十二臈 地蔵尊院 江連 俊隆 僧正
十三臈 東光寺 石川 義哲 僧都
十四臈 東養寺 高橋 一晃 僧都
十五臈 南光院 藤原 雅弘 僧都
十六臈 東福寺 秋山 照美 僧都
十七臈 泉蔵院中 山口 弘隆 僧都
十八臈 成就院中 吉田 真悟 僧都(奠供)
会奉行 隨泉寺 渡邊 道夫 僧正
承 仕 錫杖寺中 江連 俊教 僧都
持寶院中 元山 弘寿 僧都
密蔵院中 佐瀬 和樹 僧都
密蔵院中 秋山 照泰 僧都
随 喜 密蔵院 山口 正純 僧正
錫杖寺 江連 俊裕 僧正
泉蔵院 山口 正隆 僧正
龍泉寺 直林 一敏 僧正
浄龍寺 重松 秀隆 僧正
蓮花院 白石 純栄 僧正
寺庭婦人 山口俊子・江連光恵・山口宏子・荒井順子・渡辺京子・山口 郁
御詠歌講支部 密蔵院支部・錫杖寺支部・泉蔵院支部・慈林薬師支部・隨泉寺支部・東福寺支部・光明院支部
(光明院 荒井正道 記)