教区ニュース

平成29年度埼玉第一教区 教化研究会報告

 去る、平成29年9月11日(月) 午後2時より、教区宗務所龍泉寺に於き まして、教化研究会が開催されました。 (参加者   教師19名   寺庭婦人1名) 今研究会では智山教化センター長   山川 弘巳師をお迎えし、「平成29年度か らの本宗教化目標について」、と「総合
調査の結果からみる寺院のあり方」につ いてご講義を賜りました。

 講義の前半では教化目標の年次テーマ 「生きる力―仏さまに祈り 仏さまと出 会う」を、従来の年次テーマ「生きる力 ―安らかなる心とともに」からの変更理由と意義について解説されました。

この 教化目標のために、推奨する具体的な教 化活動として「信」と「行」を掲げられ ました。

「信」は〝仏さまに祈る心〞とし、 ①「智山勤行式」②お仏壇③十善戒④発心式⑤青少幼年教化の五つ。

「行」は〝仏 さまと出会う実践〞として①写経②写仏 ③御詠歌④巡礼⑤遍路⑥団参⑦阿字観⑧ 結縁灌頂の八つ。  これらは、各々のお寺 の実情にあわせ、且つお寺の年中行事と 抱き合わせて、無理のないように取り組 んでいただきたいとのご助言を賜りまし た。また、僧侶自身の「信」と「行」は いかなるものなのか、勤行を行っている のか、教化目標を理解しているのかなど、教師を対象としたアンケート結果の統計から、僧侶としていかにあるべきか再認識することができました。

 休憩をはさみ、後半では宗派の総合調 査の結果から寺院のあり方について、ご 講義を賜りました。資料は全国のアン ケートの平均値と埼玉の平均値のグラフ があり、比較しやすいものでした。その中でも特にお寺の役員方を始めとする、 お墓を継承される次世代の方は、お寺や仏事にあまり関心がないように見受けら れ、そこには家の宗教の継承がなされていないと危惧されておられました。私たちはこのアンケート結果をしっかりと受 け止めて、これからの寺院や僧侶のあり方を考えていかなければならないと痛感致しました。

 この講義を通じて学んだことは、僧侶 や寺院のあり方を見直し、改善すべきと ころは改善し、もっと自ら進んで檀信徒に寄り添い、檀信徒の声にしっかりと耳 を傾け、共に歩んで行かなければならないことです。そのために山川先生のおっしゃる通り、お寺側から檀信徒に積極的 にアプローチしていき、期待に応えられ る僧侶にならなければなりません。

 今回、このような僧侶にとって刺激の多いご講義をしていただきました山川先生をはじめ、直林教区長、関係各位に感謝 御礼を申し上げご報告とさせていただき ます。

合 掌  

地蔵尊院 江連俊隆